電子レンジに対する異物感
高度に発達した科学は魔法と見分けがつかないというけれど。僕は電子レンジを利用する度に「まるでSFだな」と思う。パソコン、スマートフォンなどの電子機器。AI。確かに凄い。あまりにも高度だ。だが、やっぱり電子レンジには何か特別な魅力というか、圧倒的な違和感を感じざるを得ない。
キッチンまわりを見回して欲しい。電子レンジだけ、明らかに異質ではないだろうか? あの無駄のない長方形の形状も、ガチャリと音を立てて開く重たい扉も、ヴーッ……という低い動作音も、「電子レンジ(Microwave)」という名称も――何もかも、冗談めいていると思わないか? 我が物顔でキッチンに鎮座しているが、よくよく見れば、あまりにも直感と反するオブジェクトだ。SF映画に出てくる謎の機械だ。ドラえもんの道具だ。一昔前の、回転する、ぼんやりと明るい庫内の様子なんて、ふざけているとしか思えない。
その挙動だってそうだ。――僕がどうしようもなく文系なのもあるが――例えばオーブンならわかる。実際にアチアチにすることで、食べ物もアチアチになる、というわかりやすい因果関係が目に見えている。コンロだってそうだ。IHもなんとなく理解はできる。だが電子レンジはどうだろう。「堅牢な箱に食べ物を配置します。蓋をして、ものの数分でアチアチ!」こんなの、納得できるだろうか? 電子レンジは、1945年に開発されたというが、先鋭的すぎないか?
……ちょっと大げさに言ったが、原理を知った上でも、やっぱり存在自体が異質に思える。こんなマシンが各ご家庭に当然のようにあって、ほぼ全員がそれに頼っているという事実にクラクラする。今日も今日とて解凍!
