平凡の原理とも呼ばれる。この世界に特別な存在はなく、全ての物は平凡な存在であるという仮説。地球が中心=特別な存在であるという天動説を否定し、地動説を唱えたニコラウス・コペルニクスにちなんで名付けられた。宇宙に特別な場所は存在せず、人間も、この宇宙そのものですら普遍的な存在であると予想される。

私達が住むこの地球があまりにも私達に都合が良いのは何故か。コペルニクスの原理に当てはめれば、地球は特別な存在ではない。つまり、地球以外の惑星がおびただしい数存在するために、そのうちの一つ、地球という平凡な惑星が、偶然生命の誕生に好条件だったと考えられる。そこに生まれた私達がいくら観測したところで、都合が良すぎる結果になるのは、自明の理である。同じ解釈を宇宙に当てはめることで、多元宇宙論を説明することが可能となる。

リチャード・ゴットはこの原理を元に “ゴットの推定” と呼ばれる未来予測の方法を考案した。この方法を用いて、観測の対象物の現在の位置を “極端に早い最初の2.5%の時期” でも “極端に遅い最後の2.5%の時期” でも無い、平凡な95%の範囲内に仮定することで、95%の確信度で対象物の未来を計算で推測することが可能である。例えば、樹齢100年の木が何年後に枯れるかを予想する。現在の樹齢が全体の樹齢の中で平凡な95%内に入っていると仮定すると、最初の2.5%の段階であれば、残りの樹齢は97.5%なので100*39で残り3,900年、最後の2.5%の段階であれば100/39で残りおよそ2.5年と算出できる。つまり樹齢100年の木は95%の確率で2.5年から3,900年の間で枯れると予想できる。

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